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神戸市は社員が住みやすく、子育てがしやすい街か?

神戸市は社員が住みやすく、子育てがしやすい街か?

特別インタビュー

2021.03.29

今や企業にとって社員のワークライフバランスを考えることは、人材の流出防止や人材確保の点から非常に重要なものとなっています。
それを考えるうえで大きな要素のひとつが社員の住環境ではないでしょうか。

近年、若年層や働き盛りの世代の中では、都心で働くこと・暮らすことを絶対と考えない層が増え続けています。
2020年9月に内閣官房 まち・ひと・しごと創生本部事務局が発表した、20代~30代の東京圏在住者が対象の「東京圏、地方での暮らしや移住及び地方への関心に関する意識調査」で、全体の48.2%が地方で暮らすことに関心があると示していることもそれを裏付けているといえるでしょう。
このように、社員のワークライフバランスを考えるうえで都心に社を構えることは絶対条件ではなくなり、むしろ環境が整った地方への移転や開業が求められつつあると考えられます。

では実際に、移転や開業先の選択肢としてどこをあげるべきか。それを考えていくために重要な指標となるのがその土地の住みやすさ。さらに、子どもを育てやすい環境かということも加えるべきでしょう。
内閣府男女共同参画局の「男女共同参画白書」によれば、共働き世帯数が年々増え続け、2019年時点では「男性雇用者と無業の妻からなる世帯」数よりも2倍以上の数の世帯が共働きとなっています。また、男女の子育てに対する意識の変革も進んだことで「働きながら子どもを育てられる環境か」を考えることが一般的といえるようになりました。
そのため、社員に長く働いてもらうために、また多くの人材を確保するために、「子育て」についても企業は考えていく必要があるのではないでしょうか。

そこで今回は、2019年から街の住みやすさを調査し、「街の住みここちランキング」として発表している大東建託 賃貸未来研究所の宗 健所長に、神戸市は住みここちの点からどういった街であるのかを伺いました。

また、神戸市こども家庭局こども企画課の坂井 亘課長に、子育てにおける神戸市の取り組みなどを伺いましたので、合わせてご紹介させていただきます。

賃貸未来研究所 所長 宗 健氏
神戸市こども家庭局こども企画課 課長 坂井 亘氏

街の住みここちは
そこに住む「人」で変わってくる
~賃貸未来研究所 所長 宗 健氏インタビュー~

ーー賃貸未来研究所と「街の住みここちランキング」について教えてください。

宗 健氏(以下、宗氏):
昨今の日本では、超高齢化社会や晩婚・少子化が進み、単身世帯や核家族が増え続けています。それに伴い、人々が住まいや暮らしに求めるもの、役割も多様化しています。
そんな中、大東建託では不動産市場の発展と、そこに住まう人々の暮らし方や住まいの進歩に貢献することを目指し、「賃貸の未来」に向けて多種多様な研究を行う「賃貸未来研究所」を設立しました。

「賃貸未来研究所」では大きく2つの研究を進めており、ひとつが科学的根拠に基づいた「住まい」・「暮らし」の新しい未来の研究である「賃貸市場研究」。もうひとつが、賃貸のオーナー・入居者・それをとりまく社会、それぞれの視点でハード・ソフト両面での研究を行う「賃貸住まいと暮らしの研究」です。

これらの研究によって、さまざまな角度から賃貸の新たな価値を創造・提案・発信していくことが目的となっています。

街の住みここちランキング」は賃貸市場研究のひとつで、日本では最大級の全国30万人以上を対象とした居住満足度調査を行い、その結果を集計したものとなります。
街に実際に住んでいる人々から、交通利便性や生活利便性、治安、行政サービス、物価など、さまざまな質問の回答をいただき、その平均値をランキングにしています。

ーー神戸市は居住満足度調査から、その住みここちをどのように評価されているのでしょうか。

宗氏:
2020年版の住みここちランキングでは神戸市の灘区、中央区、東灘区が関西版の上位にランクインしています。中でも灘区は全国で20位、関西では10位、兵庫県では3位と高い評価を得ています。

評価のポイントとしては六甲山をはじめとする自然豊かな景観や、例えば灘区では「あまり街中過ぎず、かといって中心地に近いので、とても便利」「繁華街に出ようと思えばたやすいが、日常の生活に必要な施設は至近にそろっており、その割には自然環境も良く夜間は静かな住宅地」といったコメントがあり、その住みやすさなどが評価されているといえます。

また、住んでいる人の多くが、神戸に対して良いイメージをもっているということも特徴的ですね。神戸市は「街の住みここちランキング」とは別の「愛着のある街&住み続けたい街ランキング」でも灘区が愛着のある街全国16位、東灘区が住み続けたい街全国19位にランクインするなど、人々の思い入れがある街ともいえます。

住みここちというのは、そこに住んでいる「人」で変わってきますし、街も住んでいる「人」の属性で変わってきます。そういった点からも神戸市は比較的、住みここちの良い街であるといえるのではないでしょうか。

ーー神戸市にはどういった「人」が多いのでしょうか。

宗氏:
現状の調査結果からわかる範囲ではありますが、例えば中央区と東灘区は、外国人に対する意識などの点から見ると、多様性や柔軟性があり、懐が広い人が多い印象です。加えて中央区に住む人々は非常にアグレッシブで、自分に自信をもっている人が多いですね。

さらに、神戸市に住んでいる人たちは「親しみやすさ因子」というのも比較的高い。地域の繋がりといえば聞こえは良いのですが、濃密なコミュニティは、実は住みここちを悪化させてしまうんです。人間関係には適度な距離感が重要で、煩わしくない程度の近所づきあいが親しみやすさに繋がっていく。それが高いということは、神戸市は互いに適度な距離感が保たれている街であるといえます。

これらの点から、そこに住む「人」を通してみると神戸市は、多様性があり、変化を許容し、ちょうど良い人間関係で、チャレンジも受け入れてくれる街であるといえると思います。

ーー街にとって、そこに住む「人」がとても重要なんですね。

宗氏:
そうですね。どんな「人」が多くいるかで街そのものが変わってきますので、本当に重要なことだと思います。

実は、住みここちの良さと人口増加の相関関係はすごく強いんです。住みここちを良くすると街の人口が増えるというのは、さまざまな調査や研究からも見えてきています。そして、その良さを支えるのが、そこに住む「人」。もちろん、景観や商業施設、治安、交通などさまざまな要素も支えになっていますが、やはり一番大きなものは「人」です。

「人」は、自分と同じような「人」と一緒にいることを好む傾向があって、シリコンバレーなどはその典型です。都会には都会が好きな人が集まり、田舎では田舎が心地よいと思う人たちが暮らしています。その街に住む人の属性と同じ人が集い、街をそれぞれが住みここちの良いものに作り上げていくんです。

それは神戸市も同じです。もし神戸市へのお住まいや移転などを考えておられるのであれば、そこに住んでいる人はどんな人が多いかを調べること、街を歩いて感じることが、街を知る近道になると思います。

ーーありがとうございました。

賃貸未来研究所
URL https://www.kentaku.co.jp/miraiken/

街の住みここち ランキング特設サイト
URL https://www.kentaku.co.jp/sumicoco/

支援を充実させ、神戸市を安心の子育てができる街に
~神戸市こども家庭局こども企画課 課長 坂井 亘氏~

ーー神戸市が行なっている子育て支援について教えてください。

坂井 亘氏(以下、坂井氏):
神戸市の子育て支援は「切れ目のない支援」が大きな特徴で、結婚、妊娠といったお子さまが生まれる前の段階から、出産、入園、小学校への入学まで、さらに小学校からは成長に合わせて、さまざまなタイミングで最適な支援を行えるように多彩な制度を設けております。

例えば、ご結婚をされて、新しい生活のために神戸市内での引越しまたは神戸市外から引越しされた方には結婚新生活支援事業」として、住居費や引越費用などを最大で30万円、補助しています。
妊娠期には、出産までの経済的な負担を軽くするため、健診への助成を行う妊婦健康診査助成」があり、政令指定都市で最高水準額を助成しています。

出産後も、お母さんの心身のケアや孤立化の防止を目的に、授乳やもく浴などを助産師らがサポートする産後ケア事業や、体調不良などで家事や育児が困難な方のご家庭にヘルパーを派遣し、料理や洗濯、掃除や、授乳の介助、おむつ交換などをお手伝いする産前産後ホームヘルプサービスなどもあります。

坂井 亘氏

ーーなるほど。実にさまざまな支援を行なっているんですね。働きながら子育てをする親にとって保育定員の数や待機児童なども気になるところかと思うのですが、その点についても教えてください。

坂井氏:
神戸市では待機児童ゼロを目指し、保育施設の新設などを行い保育定員数を拡大し続けています。平成30年度には前年度から500人増やし、令和元年度はそこからさらに1,400人、令和2年度には1,000人と増やしており、平成29年度と比べると定員数を2,900人増やしたことになります。これにより待機児童の数も年々大幅に減少しておりますが、残念ながらゼロとはなっておらず、引き続き定員数を増やしていく考えです。

また、保育施設を増やすだけではなく、そこで働く保育士の確保にも力を入れております。借り上げ宿舎の家賃補助や、給料とは別の一時金の支給、奨学金の返還補助、子どもを保育所に預ける保育士の保育料の補助などのさまざまな支援を行い、待遇改善を図っています。加えて、働く保育士さんがより子どもと向き合える時間を確保できるようICTの導入などの働き方改革を積極的に行い、労働環境の改善にも取り組んでおります。

保育施設に預けられた後も、急にお子さんが熱を出したり、病気になられるということが必ずあると思います。そんなとき、お仕事をお休みにすることができればいいですが、状況によってはそれがどうしてもできないということもあるのではないでしょうか。神戸市ではそういった際に、一時的にお子さんを預けられる施設として病児保育施設を設けています。

働くお母さんやお父さんがより安心してお子さんを預けられる場を、神戸市は積極的に作り出そうと努めています。

ーーありがとうございます。では、休日などで親子で一緒に遊べる場所などは神戸市にはどのくらいあるのでしょうか?

坂井氏:
親子で一緒に遊ぶ場所といえば公園などが思い浮かぶと思います。実は神戸市は公園の総面積・1人あたりの公園面積が政令指定都市で第1位なんです。なので、足を伸ばさずとも親子で一緒に体を動かして遊べる場が神戸市にはたくさんあります。

もちろん、フィールドアスレチックや児童遊園、ジャンボすべり台もある神戸市立須磨離宮公園や里山の自然を感じられるキーナの森など、少し足を伸ばせばより広く、より豊かな自然を味わえる場所もあります。
室内での遊びの場も豊富で、神戸市は児童館の数が政令指定都市で第2位。大型の児童センター「こべっこランド」も設けており、神戸市には室内外問わず、親子で一緒に遊べる場所が数多くあります。

さらに、王子動物園、須磨海浜水族園、森林植物園、市立博物館、神戸海洋博物館、バンドー神戸青少年科学館などの体験・学びの施設もさまざまです。

ーー実際に、神戸市に住んでいる子育て世帯からの感想があれば教えてください。

坂井氏:
毎年、子育て世帯の方にアンケートをとっているのですが、多くの方から「神戸には豊富な自然がある」と評価していただいています。先にも話した通り、公園の数や山・海どちらもあり楽しめる環境が評価に繋がっていると考えています。
「神戸市で子育てをしてよかったか」という質問には、8割の方に「よかった」と答えていただいており、交通利便性や児童館のほか、小児専用の救急センターなどが評価されています。
この感想は本当にうれしいかぎりです。

ーー最後に、今後の子育て支援に関する方針などを教えてください。

坂井氏:
神戸市として、未来を担う子どもたちを育てていくということは非常に重要なものであると考えています。

これまでにお話させていただいた数々の支援はもちろん、学童保育での学習体制の充実、子ども食堂をはじめとした子どもの居場所づくりなども進めております。
今後も、施設などのハード面、支援・補助などのソフト面、その両方をより一層充実させ、神戸に住みたい、神戸で働きたいという声を増やしていきたいと考えています。

ーーありがとうございました。

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