情報は守る。ビジネスは攻める。
「日本一身近な情報セキュリティ会社」がつなぐ神戸から未来へ
2019.01.24
LRM株式会社代表取締役CEO幸松 哲也 氏
「日本で一番身近な情報セキュリティ会社」をめざす気鋭のベンチャー企業、LRM。2017年8月に本社を大阪市から神戸市に移し、現在、東京オフィスとの2拠点体制で全国約400社の顧客にサービスを提供する。強みは情報を守るだけでなくビジネスに活用できる実践的なコンサルティング。本格的なIoT時代への飛躍の地として神戸を選んだ同社の現状や取り組みについて、CEOの幸松哲也氏に語っていただいた。
真にビジネスに役立つ
コンサルティングとサービスを提供
LRMは情報セキュリティに特化したコンサルティング会社です。事業の柱は2つ、顧客先の情報取扱いルールを作る情報セキュリティコンサルティングと、セキュリティ上の課題を解決するクラウドサービスの提供です。
情報セキュリティコンサルティングではISMS/ISO27001、プライバシーマーク、ISO27017/クラウドセキュリティの各認証取得支援を行っていますが、当社の特長は各社に合った多彩なプランを用意し、その会社に最適な情報セキュリティのルールづくりを行うことです。さらに、運用保守契約をいただく場合も多く、認証取得ができればその後の運用フォローも行います。頻繁に訪問して作業をする場合もあれば質問対応だけ、あるいはセキュリティ会議に毎月出る場合など対応はいろいろ。マニュアル通りではなく、それを踏まえた上での柔軟な提案できるので、特にベンチャー企業から評価されています。
クラウドサービスの提供では、セキュリティと効率化のための各種サービスの販売代理と、独自に開発したオリジナルの情報セキュリティ支援サービス「Seculio」の販売をしています。現在は情報セキュリティに特化したEラーニングサービスで、常に新たな事例や最新の教材を自動的に追加して配信するというコンサルならではのコンテンツ。問い合わせがあればほとんど失注しない自信作です。
ベンチャー企業というと攻めのサービスが多いものですが、当社は完全に守りのサービスを展開している会社です。また、営業方法はお客様からホームページに問い合わせをいただいてはじめて営業が始まるというインバウンドがすべてで、アウトバウンド営業は一切ありません。守りの姿勢でがんがん攻めるという、いわば進学校の不良のような目立ち方でお客様に選んでいただいています。
社員の幸せのために
環境が決め手となった神戸
現在、当社の顧客企業は全国に約400社。ほぼすべての都道府県にありますが、その8割以上は東京周辺です。そのため私は週に3日間、東京オフィスで仕事をしますが、神戸との行き来を不便に感じることはありませんね。街がコンパクトで新神戸駅にも神戸空港にも近く、東京へは新幹線、北海道へは飛行機という使い分けができます。また、各機関が集中しているので、いろんな手続きがとても楽。東京のお客様は神戸におしゃれで洗練されたイメージを持っているようですし、大阪の企業より数が少ないので覚えてもらいやすいというメリットもあります。さらに、神戸大学や兵庫県立大学は情報セキュリティ分野に強く、将来的な可能性を感じています。
しかし、私が神戸への移転を決めた一番の理由は環境、住みやすさです。オフィス街に近接してマンションなどの住宅が整い、教育環境もよく、質の高い職住近接が実現しやすいのが魅力です。神戸市の企業誘致情報を知ったのが移転のきっかけですが、もしも賃料補助などの優遇措置がなかったとしても、神戸に決めたでしょう。当時は多くの社員が大阪オフィスの近辺に住んでいたのですが、徒歩通勤の場合の家賃補助を継続し、引っ越し費用も支給するということで、多くのメンバーはオフィスの近くに引っ越しました。社員の幸せのためにもいい選択だったと思います。
これからさらに、採用を拡大していきたいと思っています。
「お客様にとって最善のセキュリティサービスを提供したい」と語る幸松氏。
徹底したペーパーレスでオフィス内は紙ゼロ。この明快さがLRM流です。
理想のコンサルティング会社を目指して
3年後には50人体制に
当社は「日本で一番身近な情報セキュリティ会社」になって、お客様の情報セキュリティの課題を全て解決するというビジョンを掲げていますが、その基本は何でも気軽に相談してもらえること。先生というスタンスにならないよう常に注意しており、社内の勉強会でも「教えてあげる」といった視点の発言が出ると厳しく指摘しますよ。
もちろん、勉強や情報収集は欠かせません。例えば、最近クラウドの認証が新たに策定されましたが、実は当社が日本で最初にそのコンサルティング事例を出しました。国内では前例がないのでその過程では誰にも聞けず、自分達で調べて情報を仕入れるしかありません。また、今後はIoTの広がりとともにカバーすべき分野が広がる中でも、知識を完璧にして「こう書いてあるけど、御社ならこうしましょう」と言えないと意味がありません。
しかし、現状ではまだまだお客様のニーズに応えきれていません。サービスのラインナップを広げ、「LRMに聞けばなんでも答えてくれる」という会社にしなくては。それを実現するためには人員が必要です。当社には21人のスタッフがいますが(2018年末現在)、案件が増えて手一杯なのが現状。理想とするコンサルを提供し、かつ社員が結婚や出産、介護などのライフイベントで辞めなくていい組織であるためにフォローし合える体制を整えるなら50人は欲しいところ。それを3年後くらいに実現できればと考えています。
情報セキュリティ分野はこれからますます伸びるでしょう。競合がそれほど多くないので当社も頑張って事業を拡大していきたいと思っています。できれば、地元神戸周辺にも顧客を増やしたいですね。個人的な希望ですが、情報セキュリティとつながりの深いITベンチャーがもっと神戸に来てくれるとその可能性も高まるでしょうし、ともに成長できるのではないかと思います。
<LRM株式会社>
設立 2006年12月
代表者 代表取締役CEO 幸松 哲也
事業内容 セキュリティコンサルティング、セキュリティサービス
所在地
■神戸オフィス/〒650-0032 兵庫県神戸市中央区伊藤町121
■東京オフィス/〒141-0031 東京都品川区西五反田7-1-9