インタビュー

トップページ > インタビュー > Wintec Japan株式会社

Wintec Japan株式会社

Wintec Japan株式会社

従業員の身の安全を最優先に防災意識の高い神戸へ移転

2023.01.11

Wintec Japan株式会社代表取締役市坪 勇 氏

六甲アイランド

医療情報システムの導入支援や運用管理サービス事業、技術者の労働者派遣サービス事業を展開しているウィンテックジャパン株式会社。2022年10月より本社を六甲アイランドに移し、さらなる事業拡大を目指しています。代表取締役の市坪 勇氏に、移転の経緯や神戸に拠点を置く利点などについて聞きました。

市坪 勇 氏

IT化が進む医療業界をバックアップ

当社は大阪府和泉市を創業の地として2004年に設立し、医療機関の電子カルテシステムとオーダリングシステムに特化した導入支援や運用管理サービス事業を行っています。

もともと私は京都市に本社を置くIT企業にシステムエンジニアとして14年間勤務し、金融関連および医療機関のシステム運用管理や開発・マネジメントを担当していました。独立起業を決意したのは、超未熟児で産まれた我が子の主治医から「一緒に仕事をしないか」とお誘いを受けたことがきっかけです。当時は医療現場に電子カルテシステムが導入される過渡期でした。その時流に乗った当社は右肩上がりに業績を伸ばし、スタート時は4名だった従業員も今では70名に増大。今日まで順調な成長を続けています。

医療知識も兼ね備えた技術者を育成

現在は、近畿圏にある中規模以上の公立病院などに高い技術力を持つ技術者を常駐し、きめ細やかなサービスを提供しています。システム利用者からの問い合わせ対応や障害対応、機器管理・保守だけでなく、医療従事者への電子カルテの操作教育や、医師が研究等に使用する持ち込みパソコン・タブレットの操作サポートなども行っています。また最近は、急増している医療機関を狙ったサイバー攻撃への一次対応も求められるようになり、業務の幅が広がってきました。

医療現場という特殊な環境の中で仕事を行う技術者たちは、情報処理技術や医療情報システムの知識だけでなく、医療に関する専門知識も備えておかなければなりません。そのため当社では、医療情報技師という民間資格の取得を推進し、プロフェッショナルの育成に力を注いでいます。現在は約40名の有資格者が在籍しており、安定した質の高いサービスを提供し、多方面から高評価を得ています。

“従業員ファースト”で移転先を選定

2022年に神戸市へ本社を移転するまでの約15年間は、大阪市中央区に拠点を構えていました。大阪の一等地という立地には満足していたのですが、2018年に起こった大阪府北部地震により危機管理への意識が芽生え、会社にとって貴重な財産である従業員の身を何より守りたいという一念で移転を決意しました。その後コロナ禍になり、大阪の中心部にオフィスを持つ意味も薄れていました。

いろいろと移転先を探し、見つけたのが六甲アイランドにある神戸ファッションマートです。従業員の多くが神戸市や明石市に居住しており、通勤に便利ということで候補地に挙がりました。六甲アイランドについて詳しく調べてみると、阪神・淡路大震災時に建物への被害が少なかったことや、著しい地盤沈下も起きていないことがわかり、安心感が持てました。また、閑静な住宅地なので激しい人の往来がなく、通勤時の混雑を心配することもありません。そして何より魅力的だったのは、テナント賃料が大阪市内の半分程度で済み、駐車場も安価で借りられること。加えて神戸市では「オフィス賃料等補助金制度」などの支援が充実していた点にも大変魅力を感じました。

神戸は街全体にゆったりとした時が流れ、出会う人も穏やか。相手の立場に立って物事を考えてくださる方が多く、仕事がしやすいと実感しています。従業員も「静かな環境で業務に集中できるようになった」と喜んでおり、六甲アイランドを選んだことは大正解でした。欲を言えば、財布に優しいランチスポットが島内に充実していると、働く楽しみがますます増えそうです。

事業継続に向けた独自の災害対策

神戸市のすばらしさは、震災の教訓から市民に寄り添う災害対策を実践している点にあると思っており、これも移転を決めた大きな理由の1つでした。当社は、南海トラフ地震発生時にわずか2分で津波が到達すると言われている和歌山県内の医療機関にも従業員を常駐させています。このような現状を踏まえ、自社独自の災害時マニュアルを作成するなど万が一への備えを強化し、レジリエンス認証(国土強化貢献団体認証)を取得しました。年に2回は避難訓練も行い、防災意識の向上に努めています。今年は阪神・淡路大震災が起こった1月17日に第1回目の避難訓練を実施。交通インフラが機能せず帰宅困難になった場合を想定して、徒歩で六甲アイランド橋を渡る模擬訓練も行いました。

神戸市民の積極的な雇用を目指す

医療機関へのサイバー攻撃が増加している昨今、業界全体がシステムの構築やセキュリティ対策の見直しを迫られている大きな転換期にあり、当社へのニーズが高まっています。最近は新規案件の申し入れも多数ありますが、スタッフ不足で辞退をせざるを得ないケースが増えてきました。ご要望にできる限りお応えするため、今後は人員の拡充に重点を置きたいところ。神戸市民を積極的に雇用し、地域の活性化にも貢献していきたいと考えています。現場では教員や測量士からの転職者、子育て中のママも活躍しています。経験の有無は問わず門戸を広げ、コミュニケーション能力に長けた人材と出会えるよう、採用活動にも注力していきます。

当社は安全・安心な医療現場を支える縁の下の力持ち的な役割を担っています。常駐している従業員たちは医師や看護師、薬剤師の方々から頼りにされる場面も多く、医療従事者の一員としてやりがいを持って日々の業務に取り組んでいます。これからも培った実績と信頼を武器に、神戸から全国へとさらに事業を広げていきたいと思います。

Wintec Japan株式会社の方々と神戸市担当職員
WintecJapan株式会社

Wintec Japan株式会社

設立 2004年6月1日(平成16年6月1日)
事業内容 医療情報システム運用管理、医療情報システム導入支援、医療情報システム導入コンサルティング、その他コンピューターに付随する業務
所在地
■〒658-0032 神戸市東灘区向洋町中6丁目9番地 神戸ファッションマート6階(6S-10)

URL http://www.wintec-japan.co.jp

インタビュー一覧を見る