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リベラ株式会社

リベラ株式会社

神戸に拠点を置くことで見えてくる
新たなニーズを発掘していく

2021.07.26

リベラ株式会社代表取締役社長本丸 達也 氏

三宮~神戸(オフィス)

デザイン思考イノベーションカンパニーとして、2006年に設立したリベラ株式会社。2021年6月から大阪支社を神戸・三宮へと移し、気持ちも新たに事業をスタートしています。神戸を移転先に選んだ理由や今後の展望などを代表取締役社長 本丸達也さんに聞きました。

本丸 達也 氏

時代が必要とするサービスを提供

当社はAIを活用したソフトウェアの開発を行っています。大手企業や官公庁などをパートナーとし、幅広く事業を展開。製品やサービスは100%自社で開発し、MaaSに向けた自動運転、ドローンやロボット等の自律移動、物流に特化した自動搬送といった最先端領域に積極的に取り組んできました。

また近年は、オフィスビルの自動管理システムについても力を注いでいます。コロナ禍でオフィスの使い方やあり方が急速に変化している今、開設したばかりの神戸支社も、執務スペースの他にパブリックスペースを設け、さまざまな人たちの交流の場として活用していく予定です。スペースシェアリングを行うにあたっては、場を省人化管理していく機能が求められるため、スマートロック、AIカメラによる人流管理といったシステムの開発もしています。

地域の縮退化に歯止めをかける

私は東京大学大学院工学系研究科で都市工学を専攻し、街づくりや都市計画も当社事業の主軸となっています。都市計画と言うと、これまではインフラストラクチャーを中心にハードウェアをどう構築していくのか、土地をどのように活用していくのかといったことに焦点が当たっていましたが、今は変わってきています。

近い将来、私は日本全体が縮退していくと予測しています。縮退という言葉が適切かどうかはわかりませんが、これはなにも地方に限ったことではなく、やがて東京も含まれるかもしれません。時世の流れにおいて、けっして否定できないことです。縮退する中で、世の中を効率性よくマネジメントする仕組みは、デジタルの世界に期待されていると思われ、当社が担うべき分野だと考えています。

神戸市のサポート力が移転を後押し

このたび大阪支社を神戸へ移転しようと決めた理由はいくつかあります。
私は神戸出身なので、神戸の良さは十分に知っていますが、外から見ると、大阪と神戸はあまり大きく変わらないように思われがちです。けれども明らかに異なるのは、神戸からは地域の課題が見えてくるという点ではないでしょうか。一方、大阪はグローバル都市。万博の開催も控え、東京と同じような課題を抱えています。日本の課題に目を向け、どう解決していくかということになると、キーワードとなるのは地域でしょう。その課題を俯瞰するためには、大阪ではなく神戸に拠点を置くことが大事で、西日本全体に視野を広げることができると思います。

また私は以前から、神戸市が次々と新しい政策に取り組んでいることに注目していました。ここ数年、民間に近いような政策を矢継ぎ早に打ち出してきたことで、少しずつ新たな芽が生まれてきています。そうした姿勢を見て、当社がやりたいことや新しいことに挑戦していく中で、今後、神戸市と連携して実現できることはかなりあるのではないかと考えました。

その上で、最終的に背中を押されたのは神戸市のサポート力です。拠点を移すとなると経営者はいろいろと気がかりで、移転の候補地にしがらみがあれば心の重荷になるもの。今回はその重荷を「神戸市オフィス賃料等補助制度」が取り払ってくれました。良いタイミングで神戸市が補助金制度を紹介してくださったことで、我々が計画を進めるのにあたって、神戸とはさまざまな面がフィットするんじゃないかと判断しました。小さな自治体と元気の良い企業がクロスし、クリエイティブなものが生まれるのではと期待しています。

程よい都市機能と豊かな自然が人を惹きつける

神戸にはたくさんの大学があり、学生が多い街です。若く優れた人材を発掘し育成する場として、大きなポテンシャルがあると見ています。今、神戸のIT企業はみなさん人材育成に注力されておられるので、当社も一緒に汗をかきたいですね。

優秀な人材を神戸から流出させないためには、街が魅力的でなくてはいけません。生活に不自由のない都市機能がそろい、豊かな自然が身近にあることが重要な要素で、神戸はそのバランスが非常に良いと感じています。神戸空港がそばにあり、新幹線にすぐに乗れるのも利点でしょう。ただ、交通の利便性については要望もあります。新幹線の新神戸駅と三宮を結ぶアクセスがコンパクトになるなど、地下鉄の動線がもっとスムーズになれば、街の魅力がより増すのではないかと思います。そういう視点から見ると、神戸はまだ伸び代がありますね。現在進行中の中心市街地の開発などを含め、進化していく街の姿を楽しみにしています。

神戸をぜひ新たなチャレンジの場に

我々は神戸から世界と戦えるソフトウェアサービスを生み出すことを目標に掲げています。あと10年、20年と経っていくとデジタルは普遍化し、一定のレベルに落ち着くでしょう。その先は、自分たちが心豊かに生きるために必要なものを求める世の中へとシフトしていくと思います。おいしいものを食べたいとか環境の良いところに住みたいという欲求が強くなって、デジタルは人々の欲求を下支えする当たり前の存在になっていくはずです。みなさんが興味を持つ対象とデジタルをどう結んでいくかが、当社の果たすべき役割。神戸の街の資源と我々の技術をシンクロさせながら、発展的な未来を築いていきたいと考えています。

神戸ではさまざまなコラボレーションやフュージョンが起きつつあり、市民のみなさんもおそらく新しい試みに対して協力的だと思います。今は多様性社会であると言われますが、神戸は多様なものが生まれやすい環境がバックグラウンドとして整っているのではないでしょうか。
世界に名を馳せる大企業やクリエイティブな会社などが多く集まり、神戸市は企業活動を手厚く支援してくれます。新しいことを始めたいと考えている企業にとっては魅力的な街。神戸をチャレンジの場に選ぶのも一案だと思います。

リベラ株式会社の方々と神戸市担当職員
リベラ株式会社

リベラ株式会社

設立 2006年
主要事業 自動運転関連技術などのシステム開発、不動産事業、物流/交通流最適化システムなどの企業基幹系システム開発 等
所在地
■本社/東京都渋谷区渋谷1-23-21 渋谷キャスト2階
■名古屋支社/愛知県名古屋市西区那古野2-14-1 なごのキャンパス 2F
■神戸支社/兵庫県神戸市中央区雲井通7丁目1-1 ミント神戸14F

URL  https://liberra.com/

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